水島家三代の軌跡 奈良の東大寺観音院で作品展
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奈良市雑司町の東大寺の塔頭(たっちゅう)、観音院できょう5日から、同寺とゆかりの深い美術家の水島家三代の軌跡をたどる作品展「祈りとアート」(東大寺観音院七人展実行委員主催)が開かれる。13日まで。
観音院は、戦中戦後に同寺の上司(かみつかさ)海雲住職の下に芸術家が集い「七人会」を結成した場所。当時は文化サロンとしてにぎわい、彫刻家の水島弘一さん(1907~1981)もメンバーだった。
昨年は、弘一さんの孫の水島太郎さん(43)が中心となり、観音院の文化サロン再興を提案するために現代の美術家たちと観音院七人展を開催。今年は、弘一さん、東大寺学園の「釈迦三尊像」を制作した弘一さんの息子で太郎さんの父の石根(いわね)さん(83)、太郎さんの彫刻、仏像、陶器、絵画など作品計約40点を展示。祈りとアートが融合する水島家三代の作品を紹介する。太郎さんは同寺の二月堂修二会(お水取り)で修行する僧を補佐する童子も務める。
今も作品を作り続ける石根さんは「先祖代々お世話になってきた東大寺で展覧会ができ、生きていてよかった」と笑顔。太郎さんは「自分にとって(作品を)作ることは祈ること。作り、つないできた祈りの表現を見ていただけたら」と話す。
入場無料。午前11時から午後4時半開場(最終日は午後3時まで)。13日午後は、スティーヴエトウさんの太鼓演奏も行われる。