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【動画あり】不便で豊かな暮らし Vol.2 村を救う、移住者の視点で見る再生へのヒント。奈良県曽爾村からのメッセージ

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消滅する自治体 奈良県内で22市町村 

 今年の4月、民間の有識者で作る「人口戦略会議」は、消滅する可能性がある744の自治体を公表した。奈良県では22市町村が挙がり、曽爾村もそのうちの一つだ。過疎化、高齢化、担い手不足。移住・定住の促進が消滅を免れるための鍵となるのか?

 

新たな「つながり」で村に活気 移住者の架け橋に 〜「SONI SUMMIT」(ソニ サミット)の渡辺さんの場合

 

「SONI SUMMIT」とは

 曽爾村への移住・定住支援を行なっている民間団体。「ふつうに暮らす、そっと寄り添う」をコーポレートテーマに掲げ、移住希望者一人一人に寄り添ったサポートをしている。「すまい・しごと・くらし」の3本柱で事業を展開し、「すまい」部門は空き家バンクや移住お試し住宅の運営、「しごと」部門は村内の仕事の見える化や地域おこし協力隊の支援、「くらし」部門は移住促進のためのイベントの企画などを行い、ワンストップで相談できる窓口となっている。 さらに役場もSONI SUMMITと手を組み、官民一体となって移住政策を推進し、その結果、毎年10人前後だった移住者が、2023年度は20人を超えた。

 

自身の移住経験を活かした役割 

 SONI SUMMITの渡辺さん自身も東京からの移住者。学生の頃から神社仏閣が好きで歴史が好きで、奈良に通っているうちに奈良が好きになり、25歳の時に移住を決意した。

 

 SONI SUMMITでは「くらし」部門を担当し、オンラインでの「移住座談会」や、移住希望者に現地へ来てもらい先輩移住者をゲストに招いた移住体験ツアー「SONI MURABITO TOUR」などのイベントの企画をしている。ご近所づきあいや、しきたりといった小さな村ならではの不安を感じる移住希望者は少なくない。イベントを通じて移住者や村民との「つながり」を作り、そんな不安を取り除いてあげることも大切なこと。移住経験者の渡辺さんだからこそできる役割だ。

 

つながりの力が生む村の未来

 小さな村で暮らすということは、人と人がつながり合い、関係し合いながら共に生きていくということ。先人からの教えを受けつつ、より住みやすい村になるよう知恵を出し合い、そしてまた次の世代につないでいく。「つながり」ができることで、村に新たな活力が生まれる。 消滅する可能性がある多くの村にとって「つながり」こそ未来への重要なキーワードになるのではないだろうか。 そんな当たり前で忘れかけていたことを気付かせてくれたのが曽爾村だった。

 

 それもこれもあの鎧岳の魔力かもしれない。

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