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【動画あり】不便で豊かな暮らし Vo.1 村を救う、移住者の視点で見る再生へのヒント。奈良県曽爾村からのメッセージ

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曽爾村って?なんて読むの?

 奈良県曽爾(そに)村。奈良県の東北部で三重県との県境に接する、人口約1300人に満たない小さな村。春には屏風岩公苑に山桜が咲き乱れ、秋には曽爾高原一面に広がるススキが金色に輝き、シーズンには多くの観光客が詰めかける。始めて訪れたのはススキの取材だったが、何より驚いたのは村に入って真っ先に目に飛び込んできた奇怪な山、鎧岳(よろいだけ)だった。今にも恐竜が出てきそうな山で、その裾野にある集落は神秘的な感じさえした。一体どんな人が住んでいるんだろう?

 

曽爾村のシンボル鎧岳(よろいだけ)

 

農業新聞の記者から転身 都会ではわからなかったこと 〜高松さんの場合 

 

農業の現場に飛び込む 

 大学進学を機に上京した高松さんは、卒業後、日本農業新聞の記者となる。記者時代は日本全国の農家の方の話しを聞いて回っていたが、一つの地域に関わって、その地域のために働きたいと考えるようになり、2015年7月、当時2才になるお子さんと家族3人で東京から曽爾村へ移住。

 

 その後、役場の職員となり曽爾村農林公社という組織を立ち上げ、村の基幹作業である農業を守るために農作業受託事業を始める。農業に興味がある新たな移住者へ研修制度を設け、若手の人材育成にも尽力している。現在は家族が5人となり、築100年の古民家に暮らしている。

 

都会とはまったく違う村の生活

 移住後は満員の通勤電車に揺られることもなく、歩いて行ける職場で、家族と向き合う時間が増え、家庭菜園を始めた。子供たちと一緒に一から野菜を育て収穫する喜びを感じ、季節ごとに咲く花を楽しむ余裕もできた。夏は川遊び、冬は雪遊びと、曽爾村の豊かな自然が家族の日々を彩る。近所の人から野菜をいただいたり、困ったことがあるといつでも助けてくれる人が近くにいるのも村の魅力だ。

 

 村の暮らしを守るため消防団に所属し、また「曽爾高原を守る会」のメンバーとして 村の景観保全にも取り組んでいる。

 

 人と人はつながって生きている。都会にいたら絶対にわからなかったことだ。

 

 つづく

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