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興福寺国宝館元館長の小西さんが講義 国宝守る苦労を語る

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「国宝と関わって」と題して講義する興福寺国宝館元館長の小西正文さん(中央)=奈良市高畑町の志賀直哉旧居

奈良市の志賀直哉旧居

 

 奈良市高畑町の志賀直哉旧居(奈良学園セミナーハウス)で10日、第70回奈良学園公開文化講座が開かれた。興福寺国宝館元館長の小西正文さんが「国宝と関わって」と題して講義し、約30人の参加者が熱心に耳を傾けた。 

 

 小西さんは興福寺に生まれ育ち、国立文化財研究所(現・奈良文化財研究所)の勤務を経て1968(昭和43)年から40年間、同館長を務めた。

 

 国宝館での仏像の保存や境内の管理など、幅広い職務に携わった小西さんは、薬師寺の旧金堂を解体して興福寺に移築した際や、境内の基壇調査のエピソードなどを語った。興福寺は奈良公園内に位置し、柵などがなく開かれた寺であることから、管理の苦労が絶えなかったという。「大変な思いもしたが、興福寺にご縁があって生まれ育った者として、無駄な仕事はなかった」と振り返った。

 

 次回の同講座は、あす26日午後2時から「源氏物語を読む―桐壺巻2―」で開講。講師は奈良学園大学人間教育学部准教授の鍵本有理さん。問い合わせは同旧居、電話0742(26)6490。

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