スポーツ

ラジオ体操の普及・促進に尽力 - 「奈良県ラジオ体操連盟」元会長・北良夫さん

関連ワード:

今も現役アスリートとして活躍する北良夫さん=ロートフィールド奈良

 

「すべての人々が身近に」

 2007年から奈良県ラジオ体操連盟の会長を務めていた北良夫さん(92)が、今年5月に退任した。北さんは今も現役アスリートとして、マスターズ陸上などで活躍しているが、「会長職を後進に譲りたい」と話し、今後は顧問として普及・促進に努める。

 

 ラジオ体操は1928(昭和3)年にかんぽ生命保険の前身、逓信(ていしん)省簡易保険局がさきがけとなり、国民の保健維持推進を目的に、老若男女を問わず誰でも、どこでも▽リズムに合わせて軽快に▽器機を用いないで簡単に―できるものとして「国民保健体操」が考案され、ラジオの電波に乗り、全国の家庭や職場に流された。

 

 なじみが深い「ラジオ体操第1」は51(同26)年に始まった3代目の体操。翌52年に「ラジオ体操第2」、99(平成11)年には「みんなの体操」が制定された。北さんは「教師を目指し受験した奈良学芸大学(現・奈良教育大学)の受験科目にラジオ体操があった」と振り返る。

 

 2007年当時、今も理事長を努める「ならスポーツクラブ」の立ち上げに奔走していた。同クラブは「地域で活動する自主サークルやスポーツクラブなどとともに、地域スポーツによる社会的、経済的効果の発展を目指す取り組みを進めたい」と話す。子どもから高齢者まで、すべての人々が身近にそして気軽にスポーツや運動に参加してほしいという思いを具現化した。

 

 前出の「みんなの体操」も、年齢や性別で区切らず幅広い層が対象。体操をする人が体の状態に合わせて代替え運動を採用したり、取捨選択できるなど、1人でも多くの人が対象となるよう汎用(はんよう)性を持たせた。「すべての人々が身近に」と常々、話す北さんの考えと一致する。4年後に100周年を迎えるラジオ体操の隆盛を願う。

 

指導者も育成、隆盛願う

 ラジオ体操の指導者の育成にも力を入れた。現在、県内には1級指導士が10人。2級指導士は18人。北さん自身も2013年に先陣を切り、2級指導士の資格を得た。毎年、ラジオ体操の普及に功績のあった団体や個人を表彰する「優良団体等全国表彰」に在任中、県内からは選出されず「積極的に取り組んでいる団体や個人も多く、残念。私も含め、自分自身に合った運動を継続的に無理なく行うことは高齢者にとって最良の運動。高齢者だけではなく、愛好家が増えるよう、これからも尽力したい」と歩みを止めない。

 

 8月23日、大和郡山市のならっきー球場で「2024年度夏期巡回ラジオ体操・みんなの体操会」を開催する。(牡丹賢治)

 

2024年7月3日付・奈良新聞に掲載

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらの記事も読まれています

特集記事

人気記事

  • 奈良の逸品 47CLUBに参加している奈良の商店や商品をご紹介
  • 奈良遺産70 奈良新聞創刊70周年プロジェクト
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 特選ホームページガイド