奈良公園ならこうえん（奈良県ならけん奈良市ならし）の鹿しかを保護ほごする一般いっぱん財団ざいだん法人ほうじん「奈良ならの鹿しか愛護会あいごかい」が2024年5月7日、園内えんないで今年ことし最初さいしょに生うまれた鹿しかの赤あかちゃんが確認かくにんされたと発表はっぴょうしました。

今年ことし初はじめて確認かくにんされた鹿しかの赤あかちゃん＝2024年5月5日、奈良市ならし春日野町かすがのちょうの鹿苑ろくえん

※この記事きじの写真しゃしんはすべて「奈良ならの鹿しか愛護会あいごかい」提供ていきょう

　子鹿こじかは雌めすで体長たいちょう約やく56センチ、体重たいじゅう3.6キロ。5月5日午後ごご4時じ半はんごろ、国くにの天然記念物てんねんきねんぶつ「奈良ならのシカ」の保護ほご施設しせつ「鹿苑ろくえん」で生うまれているのを同会どうかい職員しょくいんが見みつけました。

生まれたての鹿しかの赤あかちゃん＝同

　夕方ゆうがた、鹿苑ろくえんの見回みまわりをしていた職員しょくいんが、１頭とうの母鹿ははじかのそばにかわいらしい頭あたまが見みえているのを発見はっけん。やがて子鹿こじかは、か細ぼそい4本ほんの足あしを懸命けんめいに突つっ張ぱり、何度なんどもよろけながら立たち上あがって初はじめてのおっぱいを飲のみました。

か細ぼそい足あしを踏ふん張ばり、立たち上あがった鹿しかの赤あかちゃん＝同

　同どう会かいは子鹿こじかの保護ほごと人ひととのトラブル防止ぼうしのため、毎年まいとし4月がつ上旬じょうじゅんから、妊娠にんしんした雌鹿めじかを鹿苑ろくえんに保護ほごしており、5月7日現在げんざい、83頭とうが鹿苑ろくえんで暮くらしています。出産しゅっさんの最盛期さいせいきは5～6月がつ。鹿苑ろくえんで生うまれた子鹿こじかは7月がつ下旬げじゅんから、母鹿ははじかとともに奈良なら公園こうえんに戻もどり、『公園こうえんデビュー』を果はたす予定よていです。毎年まいとし6月に鹿苑ろくえんで行おこなっていた子鹿こじかの一般いっぱん公開こうかいは今年ことし、鹿苑ろくえんが改修かいしゅう工事こうじ中ちゅうのため中止ちゅうしされます。

　奈良なら公園こうえんでは例年200頭とう前後ぜんごの子鹿こじかが誕生たんじょうしますが、すべてが鹿苑ろくえんで生うまれるわけではありません。子鹿こじかは生後せいご2～3週間しゅうかんは草くさむらに隠かくれて過すごす習性しゅうせいがあるそうです。同どう会かいの山崎やまざき伸幸のぶゆき事務局長じむきょくちょうは「奈良なら公園こうえん内ないで子鹿こじかを見みかけた時ときは、少すこし離はなれた場所ばしょから温あたたかく見守みまもっていただきたい」と呼よびかけています。

　また、母鹿ははじかは母性ぼせい本能ほんのうが強つよく、人ひとが子鹿こじかに近ちかづいただけで子こどもを守まもろうと攻撃こうげきしてくることがあり危険きけんです。また、人ひとが子鹿こじかに触さわると子鹿こじかに人ひとの臭においが付つき、母鹿ははじかが母乳ぼにゅうを与あたえなくなることもあるそうです。

　奈良ならの鹿しか愛護会あいごかいのウェブサイトhttps://naradeer.com/ には、「子鹿こじかには絶対ぜったい近ちかづかない、触さわらない」など、野生やせい動物どうぶつである奈良なら公園こうえんの鹿しかとかかわる際さいの注意ちゅうい「シカマナー」を分わかりやすくまとめた動画どうがや奈良なら公園こうえんの鹿しかを守まもり、鹿しかと共生きょうせいする地域ちいき社会しゃかいづくりを目指めざす同どう会かいの活動かつどう内容ないようも詳くわしく掲載けいさいされています。

　今年ことし、最初さいしょに確認かくにんされた子鹿こじかを見守みまもる母はは鹿じかたち＝同