若いころ、車の運転が苦手で緊張した。それでも、女友達と遊びに行く時は必ず自分が運転していた。相手も免許を持っていたが、当時は男が運転するのが当たり前だった。

　その裏には、「女性は運転が下手」という偏見もあったと思う。こうした無意識の思い込みや偏見を「アンコンシャス・バイアス」という。

　県が県庁職員を対象に実施したジェンダーに関する調査で、「公用車出張の際、運転は男性がやるべきものだという雰囲気がある」との問いに同感したのは男性が28.2%で女性が8.8%。男女間で意識の違いがあり、職場内のアンコンシャス・バイアスの存在をうかがわせる。

　男性側からみれば、女性の負担を少なくする「配慮」かもしれない。が、その配慮によって女性が仕事上で経験を積めず、結果的に管理職昇進への阻害要因になる可能性もある。

　県は思い込みを無くし、ジェンダーギャップの解消を目指した新たなプロジェクトチームを設置。さまざまな取り組みを進める。

　男女意識に関しては保守的とされる本県。解消には、まず県庁が変わる必要がある。　(法)