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国原譜

奈良・薬師寺の金堂が美しい造花に彩られ…

 奈良・薬師寺の金堂が美しい造花に彩られる季節が今年もやってきた。「花会式」の名で親しまれる修二会は25日に法要が始まり、10人の僧侶が日夜厳しい行に打ち込む。

 行中の金堂を飾る10種類の造花は、奈良市内の2軒の家族が手作りしてきた。総数で2000本ほどになり、完成するのに何カ月もかかる。

 一軒に取材でお邪魔した時、手間の多さと造花の出来栄えに驚いた。和紙を染める作業に始まり、ボタンの大輪は30枚もの和紙を重ねて作る。キクの花びらは形が崩れないよう先端にろうが塗られていた。

 その家は親子3代にわたって造花を作ってきたといい、「今年も無事に作れてありがたい」という主人の言葉に本尊・薬師如来との仏縁を感じた。

 完成した造花は一日かけて金堂に飾られ、修二会の参拝者を迎える。担当するのは青年衆と呼ばれる奉仕の若者たちで、仏像のお身拭いにも参加する。

 全国に知られた伝統行事を多くの結縁者が支えてきた。東大寺の修二会(お水取り)もしかり。僧侶の祈りに手を合わせるだけでなく、縁の下で頑張る人々の思いも感じたい。(増)

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