このページでは、Javascriptを使用しています

金曜時評


現在位置:トップページ> 金曜時評> 記事


文化守る心伝える - 編集委員 辻 恵介

2016年1月29日 奈良新聞

 平成27年に日本を訪れた外国人旅行者が推計1973万7400人に達し、消費額が3兆4771億円になったと、19日に国土交通相が発表した。人数、消費額ともに過去最高だった26年(1341万人、2兆278億円)を大幅に上回ったという。

 観光立県の奈良としても、うれしいニュースではあるが、実際にどれだけ地元の宿泊業、土産物業、観光施設といった「観光産業」が、その恩恵に預かっているか、大いに気になるところだ。

 そんな折、奈良大学の学生グループによる奈良市中心部の宿泊施設を対象とした「外国人客(インバウンド)に関するアンケート調査」の結果が興味深かった(1月22日付3面)。昨年10〜11月、奈良市街地の旅館やホテルなど42軒に調査票を配布して、32軒から回収したもの。その結果、インバウンドは宿泊施設の売り上げに大きく貢献し、施設側も好意的に受け止めていることが分かったものの、リピーターが少ないなど、課題も浮き彫りになったという。

 反対に「困ったこと・悩んだこと」の問いでは、「言葉の違いで意志疎通が難しい」(19軒)、「マナーが悪い」(17軒)などが上位だったそうだ。宿泊者増はうれしいが、戸惑うことも多い実態が伺える。

 言葉の問題については、今月末から札幌で行われる実験事業が注目される。日本マイクロソフトとYRPユビキタス・ネットワーキング研究所が開発したスマートフォンのアプリで、観光地やイベント会場、公共交通といった公開情報を外国人観光客向けに自動翻訳して提供するという。翻訳は英語、中国語、韓国語、タイ語に対応するそうだ(21日付12面)。

 実際に普及するまでは、まだ時間がかかるだろうが、それより先にすべきことがある。昨年、JR奈良駅では改札内の女子トイレ前に外国人観光客の列ができていた。外国人観光客が増えれば、さらに洋式化や数も必要となろう。同駅に限らず“玄関口”周辺の施設整備は、観光地における第一印象に直結するだけに大事にしたいもの。

 生活習慣などの違いもあり、マナーなどの事前啓発も非常に大切だ。先祖が大事に守り伝えてきた国家的な文化遺産も多い土地柄だけに、そうした歴史や文化を大事にする奈良県民の心も伝えたいものだ。

 それにプラスして、料理や土産物の充実が奈良の魅力を引き出していく。観光客のいい思い出づくりのお手伝いのために、県民の知恵を出し合っていきたい。

記事の詳細は本紙をご覧下さい ⇒ 【 奈良新聞を購読する 】


最新ニュース

「合併施行方式」で - 京奈和道整備[2017.07.26]

万葉人に思い重ね - 藤原宮跡、ハス見頃写真付き記事[2017.07.26]

「藤間家住宅」修復へ - 無人で老朽化、倒壊の危険性写真付き記事[2017.07.26]

未来の“匠”仕事体験 - 県内高校生、技術学ぶ写真付き記事[2017.07.26]

楽しく生活習慣を - 県教委「元気なならっ子約束運動」始まる写真付き記事[2017.07.26]

周辺状況更新が重要 - 車の自動走行を考察/学研都市の「エジソンの会」写真付き記事[2017.07.26]

大久保、決勝満塁弾 - 第99回全国高校野球選手権奈良大会 準々決勝写真付き記事[2017.07.26]

組織刷新求める声 - 後任人事は難航か/自民県連[2017.07.25]

ウナギで元気 - きょう土用の丑写真付き記事[2017.07.25]

「幻の大寺院」実像を感じて - 来年、発見から10年で/奈教大で常設展示写真付き記事[2017.07.25]



PR



おすすめサイト

会社概要採用情報新聞購読出版情報個人情報保護特定商取引法に基づく表示サイトマップ