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五穀豊穣願い練り歩き 奈良県御所市で伝統行事「蛇曳き汁掛け祭り」 完全な形は5年ぶり

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五穀豊穣を願い、わらで作った大蛇を引いて練り歩く子どもたち=5日、御所市蛇穴

 奈良県御所市蛇穴(さらぎ)の野口神社(松本邦夫宮司)周辺で5日、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する伝統行事「蛇曳(じゃび)き汁掛け祭り」(市指定無形民俗文化財)があった。

 

 地域の子どもら約50人が、わらで作った約14メートルの大蛇を引いて地区内を練り歩いた。コロナ禍で引き回しの中止が続き、完全な形で行われるのは5年ぶり。

 

 役行者(えんのぎょうじゃ)に失恋した娘が大蛇に化けて行者を追いかけ、村人がみそ汁をかけると大蛇が逃げて穴に隠れたとの伝承にちなむ。大蛇の隠れた場所が現在の野口神社といわれ、境内には石組みの蛇塚がある。

 

 この日は、同神社で松本宮司が祝詞を上げ、杉葉の束で境内にみそ汁を振りまくなどの神事の後、見学者におにぎりとワカメ入りのみそ汁が振る舞われた。

 

 法被姿の子どもたちは正午ごろに同神社を出発。太鼓や笛の音とともに、大蛇に付けられた綱を引き、約130戸ある同地区を回った。

 

 祭りの世話人代表の西川弥範さん(71)は「祭りを通じてみなが触れ合い、地域も活性化すればうれしい」と話した。

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