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国原譜

「奈良町という町はなくて、げんこうじの…

 「奈良町という町はなくて、げんこうじの境内だったらしいね」。東京で土産物屋をのぞいた時のこと。「どちらから」と尋ねられ、店主に奈良と告げるとそんな答えが返ってきた。

 「ああそれは元興寺ですよ」と店主の読み違いを訂正し、さらに話していると京都より奈良が好きだという。東大寺でも法隆寺でもなく、いきなり奈良町が出て驚いた。

 確かに奈良町は通称で、元興寺の旧境内を中心とした旧市街を指す。町家風に整えられた各家の構えは風情があり、話題の店も多い。県内を代表する観光地の一つとして県外でも知名度が上がっていることを実感した。

 店主が京都より奈良と言ったのは、寺や神社が適度に離れていること、もう一つは奈良の人間がかつての都を鼻に掛けないからという。

 京都の都意識は御所の存在と明治維新のなし崩し的遷都のせいだろうが、世界遺産は「古都京都の文化財」だ。

 店主には奈良の方が趣深いから、と言ってほしかったが、奈良好きと言われて悪い気はしない。その店で人形を二つ買ったのは、店主の術中にはまったのかもしれない。(増)

 

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