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金曜時評


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じっくり吟味して - 編集委員 辻 恵介

2017年10月6日 奈良新聞

 9月半ばに突然動き出した政局。9月25日に安倍首相が、「28日の衆議院の冒頭解散」を表明して、一気に選挙戦へ、と誰もが思っていた。ところが、首相の表明を前に、小池都知事が「希望の党」の設立を打ち出してから、政局は大混乱に陥り、今なお立候補予定者の動向が定まらない。

 平成17(2005)年、小泉純一郎首相が郵政解散を打ち出し、世に言う「小泉劇場」なるものが出現した。その時、郵政民営化に反対した候補の選挙区に送り込まれたのが、“刺客”と呼ばれる人たちで、その一人が東京10区の小池百合子氏だった。

 小池氏はマスコミ出身で、世論の動向を学び、さらに「小泉劇場」の時に肌で覚えた「世の中の動かし方」を今実践しているのが現在の政情、ということなのだろうか。

 それに続いて民進党の前原誠司代表が、早速「解党」を唱え、希望の党への合流を打ち出した。ところが、全員の受け入れではなく、小池氏らによる選別・排除が行われることになり、混乱に拍車をかける事態となった。こうした激しい流れを受けて、民進党内のリベラル系の人たちの受け皿として、枝野幸男代表代行が打ち出したのが、新党「立憲民主党」だった。

 これにより、おおざっぱな分け方だが、与党(自民・公明)、改革保守(希望・日本維新の会)、リベラル系(立憲民主・共産・社民)の3極化の構図が出来上がった。

 民進党の幹部では、野田佳彦元首相らが無所属で出馬する覚悟を決めている。無所属の場合は、比例代表と重複立候補ができないなど選挙運動が制約され、不利とされる。憲法観や安全保障政策で踏み絵を迫る小池氏の排除路線への抵抗なのだろう。

 昨日はまた、新たな動きがあった。京都選出の民進党、福山哲郎・元官房副長官が離党届を出し、立憲民主党に入党。希望の党への合流に伴い、立憲民主入りした参院議員は初めて。幹事長起用の見込みで、リベラル派の求心力が、今後高まっていくのかどうか注目される。

 こうした中、一方の与党は着々と選挙準備を進めている。野党の動きに対する与党幹部らの発言も抑え気味のように感じられ、慎重に事を進めていることが分かる。

 この間の政界の動きは激しすぎて、ついていけない、というのが一般的な見方だろう。だが、県内の候補者も大方そろったようで、各党の公約もまとまってきた。人物と公約などをじっくり吟味して、棄権することなく、一票を投じたいものだ。

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