特集奈良の鹿ニュース

国原譜

20年以上前になるだろうか、奈良新聞の…

 20年以上前になるだろうか、奈良新聞の営業部門に所属していた時に、ある企業の広告記事を書いた。「アベックに人気の」との表現が「カップルに人気の」と担当者に書き直された。

 当時は「今はアベックよりカップルの方がはやりなのか」と深く考えなかったが、最近はアベックとの言葉自体がほとんど使われず死語に近くなっている。

 「さらに悩ましい国語辞典」(神永曉著)によると、アベックはフランス語、カップルは英語から由来していて、日本ではほとんど同じ意味に使われている。

 アベックが衰退したのは、いわゆるアベックホテル、アベック旅館などアベックが「いやらしい」語になってきて敬遠されるようになったとの説が有力らしい。

 これは数年前の話だが、「国鉄の駅前近くの」と言って若い人に「何ですか国鉄って」と笑われた経験がある。アベックを使う使わないも、世代を判定するリトマス試験紙のようなものかも。

 「歌は世につれ、世は歌につれ」といわれるが、言葉も世につれ変化し続けているのだろう。「歌は世につれって何ですか」と言われそうだが。(栄)

特集記事

人気記事

  • 奈良の逸品 47CLUBに参加している奈良の商店や商品をご紹介
  • 奈良遺産70 奈良新聞創刊70周年プロジェクト
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 特選ホームページガイド