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金曜時評


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仲川市長への注文 - 主筆 甘利 治夫

2017年7月14日 奈良新聞

 注目された奈良市長選は予想通りの大激戦となり、現職の仲川元庸氏が前生駒市長の山下真氏らを僅差で破り3選を果たした。投票率は参院選と同時だった前回を大きく下回ったが、市民は仲川氏の続投を選択した。選挙期間中、市民に約束したことをどう実行していくか、これからが本番だ。

 選挙中、仲川氏は2期8年の実績を訴えてきた。評価された面もあろうが、この8年間をみると市政運営が、けっして順調だったといえない。何を期待されたのか、その勝因の一つをみると、仲川氏をかつぎ出し、過去2回の選挙で支援してきた民進党(当時・民主党)との決別がある。民進党の呪縛から解き放たれたことで、支持の輪が拡大し、保守層に大きな広がりをみせた。

 仲川氏にとって、まさに「ゼロからのスタート」といえるほど、今回の選挙は大きな意味を持つものとなった。県都であること。しかも古都・奈良というわが国を代表する伝統ある街の首長だ。若かったこともあり、当初は「古いものはすべて否定する」という手法が目についた。市政を築いてきた先人たちの遺産や伝統を尊重しながら、直すべきところは直しながら、時代を先取りした新たな施策を展開すべきだ。新旧住民が混在する奈良市だからこそ、伝統を重んじ、新しさを取り入れてほしい。

 同時に行われた市議選で新旧交代が進んだ。どのような会派構成になるか注目される。両輪といわれる議会対応を、今度こそしっかり取り組んでほしい。同じく選挙で選ばれた議会を敵視するのではなく、ともに歩んでいく姿勢が求められる。議会対応がまずければ、どんなによい政策も前に進まない。この8年間で学んだことだ。

 また日々の業務を推進している市職員との関係、とくにベテランの幹部職員との意志の疎通が大事だ。これまでもやってきたつもりかもしれないが、実態はどうだったか。職員が持っている力を十二分に活用すること、そのことが市政の改革を「加速」させることになる。市民が期待する市政となる。議会との軋轢(あつれき)や職員との関係で、行政がいつもガタガタしていれば、一番の被害者は市民だ。

 そしてこの選挙戦を通じて、他候補から指摘された政策がある。過半数以上の批判票があったのだから、これも市民の声だ。謙虚に受け止めて、どう取り入れ改善するかという度量が必要だ。

 3期目の仲川市政に期待し、真摯(しんし)な対応を望む。

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