ラグビーの2019年ワールドカップ(W杯)日本大会の1次リーグ組み合わせ抽選会が終了した。運営準備は今後加速する。

　試合会場の一つ、大阪府東大阪市の花園ラグビー場は県の隣接地。国内外の観客を宿泊、観光などで県内に呼び込む方策を本格的に考える時期にもなった。

　三菱UFJリサーチ＆コンサルティングの調査では、昨年奈良を訪れた訪日外国人は推計165万4千人だった。大阪、京都には大きく水をあけられているが、前年比伸び率は近畿2府4県の中で最大。伸びしろはある。

　先ごろ米マイクロソフトは、音声自動翻訳サービスに日本語を加えた。スマートフォン用アプリなどで異言語間の対話ができるもので、人工知能(AI)の技術で精度も増しているようだ。

　語学力は不足ながら、W杯に向けて県活性化に協力したい人もいるはず。先端技術で語学力を補えれば、多方面での「おもてなし」組織が作れそうだが。

　発想の実現には常に障壁が多い。だが、可能性を描かなければ何事も始まらない。それぞれの立場で考えないと、世界の祭りは存外早く過ぎ去る。(智)