特集奈良の鹿ニュース

国原譜

大型連休の間は静かに、と願っていたが、…

 大型連休の間は静かに、と願っていたが、4日付の本紙などに載ったニュースに驚いた。安倍晋三首相(自民党総裁)のビデオメッセージだ。

 憲法改正を訴える東京での会合に寄せ、首相は「2020年を、新しい憲法が施行される年にしたい」と表明。「自衛隊の存在を憲法上にしっかりと位置づけ…」とも述べた。

 いくつか疑問がある。そもそも首相が憲法改正を提言すること自体だ。首相は「(憲法改正の)発議は国会にしかできません」と述べるが、これは条文上の規定だ。

 あの戦争の結果が国民にもたらした憲法の精神からすれば、発議はまず国民の声として上がり、それが国会の場で成文とする発議の条件として出てくるべきではないのか。

 問題はやはり9条だ。国家主権を制約するものとしてある「非戦」の意思をめぐる考え方の違いだ。自衛隊について、9条1項と2項は残して追加すれば済む話ではない。

 首相の提言は、憲法の精神を破壊しながら条文は成立させようとするものでは。戦争を踏まえ、国民の意思で憲法の精神は生まれたのであり、それが最も大切なことだ。(北)

 

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