きょう5月5日は、こどもの日。国民の祝日に関する法律によると、こどもの人格を重んじこどもの幸福をはかるとともに母に感謝するとある。

　条文が父親に触れていないのは気になるが、こどもの健やかな成長のため、家族や社会が挙げて取り組む大切さについては、誰も異存ないだろう。

　安価な労働力として、こどもを酷使してきた歴史は改善されたか。それでも、幼児や青少年が犯罪の標的になったり頼るべき家族や友人から被害を受ける痛ましい事案は、今も後を絶たない。

　また現在を生きる大人が解決すべき課題を放置したまま、次代を担うこどもに責任を押し付けるなら、それは世代間による社会的暴力にも等しい。

　目先の景気対策に奔走、先送りされ続ける財政再建。あるいは戦後70年余の平和を享受する中で残されてきた安全保障問題。児孫のために美田を買わずとは言うが、荒地を残すべきでもない。

　個々の人格を重んじ、幸福をはかるとともに、こども世代全体に確かな未来への道筋を示したい。そのためにも世代を育む少子化対策は最重要課題。まず母に感謝すべき。(松)