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金曜時評


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熱い闘いの持続を - 論説委員 北岡 和之

2017年3月24日 奈良新聞

 北陸新幹線の京都―新大阪間のルートは、最後に出てきた南回り案で突然、決着した。費用対効果の試算が主要因だったというが、背景にあるのは驚異的な京都府の粘りと政治主導だった。この結果を知って、やはり京都は油断がならないと思った。

 京都駅以外に府内にもう1駅欲しい京都側は当初、同新幹線・敦賀―京都間について「舞鶴ルート」案を主張していた。この案が敗れ、それならと、まず京都―新大阪間に関西文化学術研究都市の中心部を通る南回り案を提出。さらに追加して出てきたのが、今回決まった京都府京田辺市付近を通る南回り案だった。

 南北に長い京都府は、両端地域の活性化が課題。鉄道駅にこだわり、必死に策を練った府関係者の熱意は評価していい。だがわが県からみれば、京都―(新)大阪間に何本も鉄道を走らせる必要性がどれほどあるのか、どう考えても理解しがたい。

 わが県の荒井正吾知事がつとに口にする、国土全体の姿を念頭に置いたリダンダンシー(補完性)など、京都の人たちの頭にはないのではないかと思ってしまう。

 京都のやり方を見ていると、北陸新幹線の京田辺市付近駅を前提として、リニア中央新幹線の中間駅を結び付けようとしてくるとみていいだろう。リニア中央新幹線の中間駅に関しては、京都駅設置を主張してキャンペーンを展開。だが建設主体のJR東海も動かず、もくろみはついえた。ただ、「学研都市付近」へのリニア駅設置をあきらめたわけでは決してなく、わが県の闘いを一瞬たりとも緩めてはならない。

 リニア中央新幹線の「奈良市付近駅」は、国の基本計画(昭和48年11月)と整備計画(平成23年5月)で決定済み。これに横やりを入れる京都の執念には感心するが、わが県としては絶対に譲歩できない一線だ。

 リニア「奈良市付近駅」をめぐる攻防の一方で注目されるのが、荒井知事が今夏にも具体案を示すという「関空アクセス・リニア接続新幹線・奈良版構想」。リニア「奈良市付近駅」と関西国際空港を結ぶ新たな新幹線構想だ。北を向いては、関西空港と中央アルプス方面を結ぶ最短ルートになるとし、西を向いては四国への延線(四国新幹線との接続)も視野に置く。国土におけるリダンダンシーとは何かを合理的に説く構想ではないだろうか。

 「地方の時代」は「地方の戦いの時代」の観を呈してもいる。自立した県を目指すなら、遅れをとることは許されない。

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