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金曜時評


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にぎわいの創出を - 編集委員 山下 栄二

2017年3月10日 奈良新聞

 奈良市二条大路南1丁目のショッピングセンター「イトーヨーカドー奈良店」が今年9月ごろに閉店し、新たに観光型の複合商業施設「奈良平城プラザ」(仮称)として平成30年春のリニューアルオープンを目指すことが明らかになった。現在の利用者にはショックだろうが、新たな複合商業施設は「にぎわい」拠点の一つとして期待がかかる。

 同場所は奈良時代の長屋王邸宅跡で、平成元年に「奈良そごう」が建設されオープン。バブル経済が影響した盛期は奈良最大の都市型大型百貨店としてにぎわったが、そごうグループの経営不振とともに平成12年末に閉店。この建物にイトーヨーカドー奈良店が同15年7月に開業した。現在は同店とともに専門店や奈良市美術館がテナントとして営業しているが、レストラン街は空き店舗が目立つなど最近は客足が伸び悩んでいる。

 複合商業施設の再生コンサルタント「やまき」が新店舗のプランを手掛ける。それによると新店舗は地上5階、一部7階の現店舗を活用、食料品などの物販だけでなく、観光向けの金魚のアクアリウム(飼育設備)や忍者屋敷、芝居小屋、カプセルホテルや結婚式場なども検討されている。専門店は現店舗のほぼ2倍の約100店舗、年間の売り上げ約150億円、来館者2000万人を見込んでいる。

 同店は大宮通り(国道369号)沿いにある。ここで注目されるのが県の取り組み「大宮通りプロジェクト」との関係ではないか。国際級ホテル「JWマリオット奈良」、NHK放送会館、コンベンション施設などの拠点整備(平成32年度開業予定)地区と同店とは歩いて数分の近さだ。さらに西に行けば県の平城宮跡歴史公園・朱雀大路西側地区整備(飲食・交流・物販などの施設、平成29年中完成予定)と、国が建設を進める「平城宮跡展示館」がある。

 国際級ホテルの誘致計画の際は「あんな何もないところに人が泊まるのか」と立地条件をやゆされた。しかし、新たな観光型の複合商業施設と国際級ホテル、平城宮跡歴史公園が相乗効果を生み出せないだろうか。さらに、奈良観光最大のウイークポイントは夜の観光であるが、最寄駅である近鉄新大宮駅前周辺は、ならミシュラン星付きの料理店もある繁華街になっている。

 民間、行政が連携協力して観光振興に取り組めば古都の「にぎわい創出」が可能ではないだろうか。

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