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国原譜


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2017年3月10日 奈良新聞

 立身出世に関わる人事異動は、奈良時代の役人にとっても大きな関心事だったようだ。希望のポストに就こうと奔走する姿が、当時の書状から見えてくる。

 使えるコネを定めたら、嘆願成就のお守りは付け届け。上咋麻呂(かみのくいまろ)なる人物は、同族の有力者に生イワシ60匹を送り、「お受け取りいただけたら大変幸せ」と書いた。

 イワシは腐りやすい魚のようだが、海から遠い都の人々に60匹のイワシは貴重品だったのか。効果のほどが興味深い。

 奈良文化財研究所の馬場基氏の著書によると、「今日にも相通じるような現象が奈良の都の官人社会にも充ち満ちていた」という。

 こちらは人事ではないが、コネを頼り、鼻薬を利かそうとする構図は奈良時代と変わらない。小学校建設を巡る森友学園の問題は、理事長自ら持参した紙包みが注目を集め、自治省入省とされていた理事長の経歴も、詐称だった可能性がある。

 学園が理念に掲げる教育勅語には「恭倹(きょうけん)己を持し」とある。自らの行いが慎み深いものであったかどうか、理事長自身が問い直してはどうだろう。(増)

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