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国原譜


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2017年2月25日 奈良新聞

 南都八景の一つ、猿沢池の七不思議といえば、「澄まず、濁らず、出ず、入らず、蛙(かわず)わかずに、藻が生えず、魚が七分に水三分」。水の赤変は凶事の前兆として恐れられた。

 奈良新聞社が1月に発行した「今昔 奈良名所」の孫引きだが、奈良には忘れられようとしている伝承や名所も多いことに気付かされる。

 著者の森下惠介氏は奈良市埋蔵文化財調査センター所長として発掘調査に携わる傍ら、奈良観光史の研究にも取り組んできた。

 池のほとりにはかつて「猿塚」があり、奈良に住んでいた空海が、木の実を届けてくれたサルの死を悼んで築いたとも、春日大明神に従った雄雌2匹のサルを埋めたとも伝えられた。

 最盛期に500人が泊まったといわれる旅籠(はたご)「小刀屋」は、客のわらじを一足も間違えずに出し、何日滞在しても夜具と家具が毎日変わると評判だった。

 猿沢池の周辺だけでも、再発見できる名所は数多い。お水取りが終われば古都は春の観光シーズン。江戸から明治の人々が楽しんだ奈良巡りを、春風に吹かれて追体験するのも楽しそうだ。(増)

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