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国原譜

先日、キリシタン大名の高山右近(155…

 先日、キリシタン大名の高山右近(1552~1615年)に、カトリックの福者の称号を与える列福式が大阪で開かれた。式典を報道で確認しながら、県との縁を思い返した。

 右近は6歳からの約7年間を宇陀市榛原沢の山城、沢城で過ごした。父親の影響で信者となり、「ジュスト(正義の人)」の洗礼名を授かったのはこの地だったという。

 沢城での日々は、戦国の世を愛と正義、信仰に生きた右近の心が形成された時期でもあったろう。右近にとって奈良は忘れ得ぬ地だったに違いない。

 二十数年前に他界された市井の研究家は、右近に関する数々の新事実を明らかにした。沢城近くに顕彰碑が建ち、遺徳をしのぶまつりもある。

 ただ他所に比べ、沢城での姿が今一歩県内外に広がらないのが口惜しい。宗教色のある右近を教育現場で子供に語ることに難色を示す教育者がいることを聞いたことがある。そんな影響もあるのだろうか。

 今回の動きで風向きはどうなるか。不寛容が目に付く世の中だけに、人類愛に満ちたとされる右近への県内での再評価があってもいい気がする。(智)

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