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金曜時評


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連携生かし推進を - 編集委員 松井 重宏

2017年2月10日 奈良新聞

 地域の災害事業で深刻な課題となっているのが拠点施設の老朽化対策、耐震補強の推進。各自治体の庁舎などは大規模災害が発生した際、対策本部として機能する必要があるが、県内でも耐震性能が十分ではない建物がまだ多く残されており、予算面の制約などから新設、改修が進んでいないのが現状だ。来年度予算案の発表、議会提出の時期を迎え、県内各自治体の積極的な取り組みが改めて求められる。

 県都の奈良市は本庁舎整備について、建て直しか補強か、第三者委員会を設置して方針を検討。多くの費用が必要となる事業だけに、十分な論議を踏まえた上で、市民が納得できる形で早期の整備を目指す。また中和地域の核となる橿原市でも本庁舎の老朽化対策は喫緊の重要課題。市は昨年12月に現地での建て替え方針を決めたが、完成めどとする平成33年度まで、なお曲折もありそうだ。

 そうした中、桜井市では先月、県広域消防組合桜井消防署の新庁舎が完成、開所式が行われた。同庁舎は、市が旧県桜井土木事務所を大規模改修した建物で、県と市が結ぶ連携協定の成果となった。

 県は桜井市以外にも、県内各市町村と順次、まちづくりに関する連携協定の締結を進めている。同協定は、県が地域活性化に積極的な市町村と協力して地域の中心となる拠点の機能集積、再整備を進めるのが目的。また県は、県管理施設の改修や県有地の活用などの県事業と市町村のまちづくりを一体的に検討することにより、効率的なまちづくりが期待できるとしている。

 一方、政府は今月7日、国会に平成29年度地方財政計画を提出。同計画では「地方が一億総活躍社会の実現や地方創生の推進、防災・減災対策等に取り組みつつ、安定的に財政運営を行う」ことができるように配慮したとしており、地方交付税等の一般財源総額について、前年度比0・7%増の62兆803億円を確保した。

 特に公共施設などの老朽化対策については、施設の集約や複合化による適正配置を進めるため、現行の「公共施設等最適化事業費」に長寿命化対策などを追加、新たに「公共施設等適正管理推進事業費(仮称)」として3500億円を計上した。相次ぐ地震災害を受け、耐震性能が不十分な自治体庁舎の建て替えを促していく。

 県と市町村が連携、国の施策を現場に生かす「奈良モデル」の推進で、地域強靭化を着実に進めてほしい。

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