注目記事山下県政 世論調査の全結果掲載

国原譜

世界の長い歴史の中から見れば、建国から…

 世界の長い歴史の中から見れば、建国から300年に満たない移民による新興国。いまや世界に冠たる大国で、70年ほど前にはわが国と激戦を演じた。

 その「アメリカ合衆国」の本領とは何か。アメリカらしさとは何か。異色の大統領の誕生で、私たちも大統領と米国に注目せざるを得なくなっている。

 アメリカらしさと感じてきたことの一つとして根の奥深い「平等主義」を挙げたい。同国の詩人、ウォルト・ホイットマンの詩集「草の葉」が代表していると思う。

 この中の連作「私自身の歌」に、草はどこにでも生え、誰にも育つ均質の象形文字のようなものと読める一節がある。「私は同じように与え、同じように受けいれる」。

 ホイットマンは江戸時代から明治の初め頃まで生きた人で、夏目漱石も触れている。「草の葉」は初版から“臨終版”まで40年近く改訂を重ね、古き良きアメリカが香り立つ。

 平等主義という見方が当たっているなら、米国の度量が狭くなったということだ。「八百万の神々」にならえとは言わないが、新大統領はせめて良き米国の見識を振り返っては。(北)

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