特集2024年春の高校野球奈良大会速報

国原譜

飛鳥時代の650年2月、長門国(山口県…

 飛鳥時代の650年2月、長門国(山口県)から白いキジが献じられた。意義を尋ねる孝徳天皇に、周囲は「聞いたことも見たこともない」「君主の徳が四方に行き渡るとき、白いキジが現れる」などと答えた。

 喜んだ天皇は半月もしないうちに元号を「白雉(はくち)」と改める。大化に次ぐ国内で2つ目の元号となった。

 皇后にまで見捨てられた孝徳天皇が難波宮に置き去りにされる3年前のことで、順風満帆ぶりが哀れを誘う。

 古代の改元は吉事が契機となることも多い。宮中上空にめでたい雲が現れたから慶雲、国産の銅が献じられたから和銅、瑞祥の亀にちなんで霊亀。明治時代に天皇一代=一元号と定められると、元号は時代を象徴する言葉となった。

 昭和世代、昭和な感じ。何だかよく分からないが、デジタル社会の到来以前に物心ついた世代が当てはまりそうだ。

 政府は再来年の新元号移行を検討している。これまで通り中国の古典が典拠となるのかどうか。テロや米国の混迷など、日本を取り巻く状況は不安定さを増している。新たな元号は世界の瑞祥であってほしい。(増)

 

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