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金曜時評


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若い層を呼び込め - 編集委員 山下 栄二

2017年1月20日 奈良新聞

 県は昨年末に平成27年国勢調査結果の「県詳細版」を公表した。県人口の確定値は136万4316人と、5年前の調査より3万6412人減った。一般世帯のうち1人暮らしの単独世帯は25・7%を占めて前回より約1割増え、夫婦と子どもからなる世帯の割合は減少し続けている。県内の65歳以上の高齢者の人口は38万8614人。全人口に占める28・7%という割合は前回より4・7ポイントも高く全都道府県で最大の増加幅。少子高齢化が加速しており、県政の大きな課題となっている。

 高度成長期に急速な宅地開発で県人口は増えた。当時は都市部で働き「郊外に1戸建て」を持つのが勤労者家族の憧れであったが、最近は各種の調査をみても京阪神の都市が住みたいまちの上位を占め「便利な都会に住む」のを志向する傾向がある。少子高齢化は全国的に進んでいるが、東京都や大阪市など大都市部は逆に人口が増えているのがそれを裏打ちしている。

 県外転出を食い止めるとともに、県内に若年層の移住を促す必要がある。「利便性、都会生活の刺激」が大都市に住む長所であるとすれば、県内に住む大きなメリットの一つが「豊かな自然環境、子育て・教育環境の良さ」ではないだろうか。本紙の正月特集紙面に掲載されていた各市町村の重点施策をみても、子育て支援をとりあげる自治体が複数あった。各自治体に子育て支援の一層の充実を求めたい。

 自治体の知名度アップも重要だ。昨年、大阪市の映画館で偶然、上映作の前に生駒市への移住をPRするCMを見て驚いた経験がある。出演している市民らが住みやすさを訴えていた。また、北葛城郡4町(上牧、王寺、広陵、河合)は昨年、移住促進などに取り組む「すむ・奈良・ほっかつ!推進協議会」を発足。大阪への通勤の利便性や住環境、子育て環境の良さをPRして大阪圏からの移住促進を狙う。大阪市内でイベントを開いたり、ラッピング列車を運行したりしているが、これらの取り組みの効果が注目される。

 県の南部東部の過疎化は深刻だ。平成27年度からできた県地域振興部移住・交流推進室は県南部東部への移住を推進している。同室の運営するネットの移住サイト「奈良に暮らす」は奥吉野の魅力や19市町村の移住支援策を紹介している。ただ、県北部、西部に比べると都市圏への交通の便が悪いだけに、各自治体とも就労対策と一体となった取り組みが求められよう。

 

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