特に設定したわけではないのに、スマートフォンが持ち主に気をきかせてくれていた。筆者の1日の歩行距離を勝手に図ってくれていたのを偶然に発見した。

　休日に電車で遠出した際には5キロを超えている。ところが、自家用車通勤でデスクワーク主体の仕事だと、情けないことに1キロにも満たない。

　スマートフォンに「ご主人、運動不足ですよ」と無言で注意されているようだ。衰えは足腰からである。成人病の予防のためにも、毎日の適度な運動の必要性を痛感した。

　最近の高齢者は元気だといわれるが、それだけ健康に気を配っているからだろう。仲間でウオーキングに出掛ける姿を町のあちこちで見かける。

　平均寿命のうち、健康で自立して活動し生活できる期間を一般的に健康寿命という。「元気で長生き」の寿命を、いかに伸ばしていくかは高齢化社会の課題だ。

　退職や配偶者の死後、急に落ち込む高齢者が多い。独り暮らしは家に閉じこもりがちだ。精神的な要素はもちろん、外出して歩かなくなるのも原因では。スマートフォンの機能から多くのことを考えさせられた。(栄)