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国原譜


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2017年1月8日 奈良新聞

 銅造仏頭―と呼ばれる国宝が奈良市の興福寺にある。火災に遭い、頭部だけとなった薬師如来像だが、白鳳仏の慈眼は今も多くの人を魅了する。

 その仏頭が同寺東金堂に一時戻された。これまでも国宝館で拝観できたが、本来あるべき堂内に安置された姿を見ることができるのは貴重な機会。

 平成21年秋には、同じ興福寺で当時の仮金堂を会場に特別公開「お堂でみる阿修羅」が開かれ人気を博した。文字通り至宝で満ちた国宝館を離れ、改めて祈りの空間の中で像と向き合いたい。

 仏頭は天武期に山田寺の本尊として造られ、鎌倉時代に興福寺に移転。その後に焼損して台座の中に秘蔵、昭和に再発見された数奇な歴史を負う。

 また像は頭部だけで約560キロあるといい、800年以上も前に完形の丈六像を桜井市の山田寺から興福寺まで直線距離にして約22キロ、どうやって運んだかなど、さまざまな興味が尽きない。

 余計なことは考えず、台上の尊顔をただ静かに見詰めるか、それとも像がたどった1300年余に思いをはせるか。体を失ったからこそ仏頭は不思議な魅力にあふれている。(松)

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