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国原譜

12月に入って80代の男性2人と話す機…

 12月に入って80代の男性2人と話す機会があり、安倍首相の真珠湾訪問から戦中の体験談になった。田原本町の男性は、空襲で集落が丸ごと焼けたことを語った。

 空襲警報が解除された後、隣の集落が大変と聞いて駆けつけると、多くの家屋が焼け落ち、田んぼの中に不発の焼夷(しょうい)弾が何本も突き刺さっていたという。

 大阪にいたもう一人の男性は、疎開した国民学校の校庭が畑になっていたこと、入学時の写真でパリッとしていた制服が、戦後の卒業写真では皆ボロボロだったことを話した。父親の兄弟2人は戦地から戻らなかった。

 旧日本海軍によるハワイ真珠湾攻撃は、8日で75年の節目を迎えた。今月下旬には安倍首相が現地を訪れ、犠牲者を慰霊する。

 小説家の伊藤整が「この戦争は明るい」と日記に書いた日米開戦は、とんでもなく暗いトンネルの入り口だった。

 安倍首相の真珠湾訪問は、世代ごとの異なる目で注目されている。終戦記念日に対して見過ごされがちな12月8日の意味をあらためて考え、不戦、平和に向けた戦後の歩みを見つめ直す機会にしたい。(増)

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