特集2024年春の高校野球奈良大会速報

国原譜

平成28年も、はや師走。南都の大寺では…

 平成28年も、はや師走。南都の大寺では住職の交代が続いた一年だった。新任住職が本紙1面の「ときの人」で語った言葉には、社会の課題が映されていた。

 東大寺の狹川普文別当は「子どもが死んでいくような国は国造りができない」と語り、子どもを健やかに育て、世代をつなぐ大切さを説いた。

 幼いわが子の遺体を山中や車のトランクに遺棄した容疑で親が逮捕される事件が最近も大阪で続いた。「子どもの命」は社会があらためて向き合わねばならない課題だ。

 戒律を守れているか、半月ごとに我が身を振り返る「布薩(ふさつ)の行」の復興に意欲を見せたのは唐招提寺の西山明彦長老。一般参加の受け入れも視野に入れる。

 薬師寺の村上太胤管主は「感謝したり祈ったりすることが無くなり、人の心がすさんでいる」と話した。言葉は違っても、3人の師が目指す所は同じだろう。

 すさんだ心が引き起こす悲しい出来事は今年もたくさんあった。奈良に仏教会はないが、定着した宗教者フォーラムのような取り組みををさらに実践的なものとして、社会に発信できないだろうか。(増)

 

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