ブランドイメージは大切だ。先日開かれた本紙記事審議委員会で、明日香村への星野リゾート進出の記事が話題となった。一民間企業の動向が注目されるのは異例だ。

　星野佳路代表率いる星野リゾートは、マスコミにとりあげられる機会が多い。あえてテレビを置かない高級旅館や経営不振に陥ったホテルの再生などで名高い。

　宿泊施設建設に向けて協力、連携する協定を村と結んだ星野代表は「(明日香には)知名度と観光資源があり、いい機会を与えていただいた」と話した。

　村の景観を保つために建築物に厳しい規制があるが、他にない「オンリー・ワン」を創出するのが得意な星野リゾートである。実現すれば日本のふるさとにふさわしい施設になるのではないか。

　県全体の課題ともいえるのが南北格差。外国人観光客増加による恩恵も、今のところは奈良市を中心とした北和に偏っているようだ。

　過疎化に悩む県南部にとって地域活性化のために観光振興は重要な柱となる。観光資源を再発見する外部からの斬新な目線、発想をとりいれたい。いい意味での「黒船襲来」も必要だ。(栄)