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金曜時評


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うねりを南部にも - 編集委員 増山 和樹

2016年10月14日 奈良新聞

 秋の観光シーズンを迎え、奈良公園一帯は大勢の外国人観光客でにぎわっている。平成27年に県内を訪れた外国人観光客(推計)は前年の約1・5倍に増えており、東大寺や春日大社では日本人の方が少なく見えることもある。この波を宿泊客の増加につなげること、奈良市以外にも広げることが必要だ。

 県が平成23年から24年にかけて実施した外国人観光客の実態調査では、「奈良を初めて訪問した」と回答した489人のうち、約65%にあたる316人が「日本への旅行が初めて」と答えている。外国人にとって、奈良が日本を代表する観光地であることを裏付ける一方、訪問理由では、「大阪、京都と近距離、交通の便がよい」も大きな位置を占めた。

 県ならの観光力向上課によると、奈良を「宿泊ゾーン」と認識する外国人はまだ少なく、宿泊は京都や大阪で、というパターンが定着している。これでは県南部に足を延ばすのは難しい。県の実態調査でも、訪問先は奈良公園周辺が圧倒的で、吉野や飛鳥地域はごくわずかだった。外国人観光客の波を県中南部に及ぼすには、「宿泊ゾーン」としての認識を高める取り組みが欠かせない。

 県は8月から、県内を訪れた外国人観光客にアンケート調査を実施している。本年度は宿泊の満足度を柱とし、インターネット口コミサイトへの投稿も拾って課題を探る考えだ。前回の実態調査は県職員が奈良市内の観光地に出向く“手作り”だったが、今回は約600万円を予算化し、天川村や十津川村など、県南部でも調査を実施している。結果は改善の優先順位をつけて宿泊施設にフィードバックし、満足度の上昇につなげるという。

 熊野古道を観光資源とする和歌山県田辺市が滞在型の外国人誘致に成功したように、旅行のしやすさ、快適さは受け入れ姿勢によるところが大きい。ハード面に限らず、宿泊施設の親しみある対応も鍵を握る。宿泊施設側が自然な「おもてなし」ができるよう、外国人と接する体験型の講座も有効だろう。

 県内の外国人観光客数(推計)は平成27年に100万人を突破した。宿泊施設の客室数は県が全国最下位の約9200室(平成26年)だが、県中南部への流れができれば宿泊の分散化も期待できるのではないか。外国人観光客には、滞在してこそ味わえる奈良の奥深さも知ってほしい。 

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