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国原譜

奈良市の平城宮跡から、ペルシャ人とみら…

 奈良市の平城宮跡から、ペルシャ人とみられる役人の名前が書かれた8世紀中ごろの木簡が出土していた。1300年前に遠国の外国人を公務員に登用していた先進性には驚嘆する。

 しかし、よく考えると意外ではないかもしれない。752年、東大寺の大仏開眼供養会の導師を務めたのはインドの僧侶。諸外国の珍しい音楽や舞踏などが披露されたという。

 総勢1万数千人が来場したというから、当時の東アジアの中では最大級の国際イベントだったに違いない。シルクロード東の終着点は当時、世界屈指の国際都市だった。

 当時の平城宮人がタイムマシンで現在の奈良市を訪れると、どのような感想を話すであろうか。「にぎわいが乏しく寂しい」か「静かで落ちつける」か。

 いずれにしても、全国ワースト級のホテル部屋数では国際都市とは言われまい。「1300年前に追いつけ、追い越せ」では皮肉が過ぎるか。

 とはいえ、奈良市の外国人観光客は年々増加傾向にある。大阪、京都のみを訪れる外国人に本県に足を伸ばしてもらいたい。古都にはそれだけの魅力はある。(栄)

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