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国原譜

20年ごとに行われる奈良市の春日大社式…

 20年ごとに行われる奈良市の春日大社式年造替。60回の節目となった今回の祭典は滞りなく諸儀式が進み、いよいよ来月6日に正遷宮を迎える。

 彩りも鮮やかに修理を終えた4棟の本殿に仮殿から神々が遷座。それに先立ち同神社では昨日から、参拝者が本殿前に白砂を敷く行事が始まった。

 今ならまだ一般の参拝者も本殿間近まで入ることが許される、そんな貴重な機会。と書けば物見高く不遜なイメージになりかねないが、歴史的な造替に自らも参加できる体験として薦めたい。

 伊勢神宮の式年遷宮では同様の白石持ち行事が大規模化しており、平成25年に営まれた遷宮では内宮、外宮合わせて22万人以上が奉仕したという。

 連想されるのは奈良時代に聖武天皇が発した大仏造顕のみことのり。その中には人々が一枝の草、一把の土を持ってきて造像に参加したいと望めば許すようにという主旨が書き記されていた。

 長年にわたって受け継がれ、多くの人々に支えられてきた伝統と、そこに込められた思いは信仰であるとともに文化。1300年の古都奈良の地に息づく魅力に違いない。(松)

 

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