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国原譜

台風には無縁と思われた北海道や東北に1…

 台風には無縁と思われた北海道や東北に10号台風が襲って、甚大な被害を出したばかりなのに、12号台風が九州方面を駆け抜け、近畿も心配だ。

 進路の予想はつくものの、通過してから、その台風の大きさがわかる。近年の台風被害は、かつて経験したことのない、といわれるような大雨が多い。

 きのうは五條市大塔町で、あの紀伊半島大水害から5年の追悼式があった。山が崩れ川をせき止め、川沿いの民家は水没した。県内で死者、行方不明者24人という大惨事だった。

 まだまだ復興にはほど遠い。村を離れた人もいるが、愛する故郷に残り、懸命に生きようとしている人も多い。台風情報のたびに、あの悪夢を思い出しながら生活している。

 地域の人たちの生命の安全を守るのは、自治体の長に課せられた第一のことだ。わずか数分で水位が急上昇していることから、まさに分秒を争う的確な決断が求められる。

 何があっても、いつでも陣頭指揮がとれる、そんな心構えと体制づくりをお願いしたい。事が起きてから「想定外だった」などの言葉は聞きたくない。(治)

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