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国原譜

大和タイムス社(現奈良新聞社)が昭和4…

 大和タイムス社(現奈良新聞社)が昭和47年に発行した「大和の年中行事」を古書店で見つけて購入した。郷土史家が執筆し、月ごとの伝統行事が詳しく紹介されている。

 25日まで3日間続いた橿原市の愛宕祭もその一つ。火難よけの愛宕信仰は全国にあるが、県内では橿原市の八木地区が最も盛んで、昔から火災が少ないという。

 愛宕祭の呼び物の一つが立山だった。製作を請け負う立山師もおり、地域ごとに作って出来栄えを競った。

 「いいのができましたねえ」。今年の愛宕祭に出掛けると、「真田丸」をテーマにした立山を前に近所の人が和んでいた。大阪の陣を人形で再現し、人馬の音が録音で流れる。人形が動くわけではないが、次々と人が立ち寄っては眺めていた。

 以前は40近くあったという愛宕祭の立山も、地域の高齢化で激減し、作れる地区はごく一部。最近は関西大学が立山作りに協力し、今年も一つ請け負った。

 立山が魅力的に映るのは、掛けただけの手間が見えるからだろう。今では貴重な素朴さだが、“立山女子”のようなブームは訪れないものだろうか。(増)

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