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国原譜

NHK朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん…

 NHK朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の数週間前の話で「りんご箱」が出てきた。主人公ら3姉妹が女学校時代の恩師の家で、闇市で店先に積まれていたりんご箱を使い、家具などを作って室内の改造を行う話だった。

 私事で恐縮だが、そのシーンを見ながら亡父のことを思い出した。実家にある仏壇は、手先が器用だった父がりんご箱で作ったものだ。団地の狭い住宅事情にマッチしていて、長年しみついた線香の煙で黒光りしている。

 戦時中から戦後の物資のない時代、いかに苦労して食べ物を集め、生き延びてきたか―それを体験した世代も、どんどん減ってきている。お盆は、そんな昔話を子や孫たちに伝える絶好の機会でもある。

 自分につながる故人が、どんな人だったのか、戦争で亡くなったのか、などを思い出しながら話をしてもらいたい。それがお盆という行事の存在意義であろう。

 墓参りをしない家も増えているようだが、荒れている墓地の風景は見るにしのびない。

 今日の平和と繁栄は、数多くの先祖たちの労苦によって築かれていることを忘れてはなるまい。(恵)

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