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金曜時評


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返礼に創意工夫を - 編集委員 山下 栄二

2016年8月12日 奈良新聞

 総務省はこのほど、好きな自治体に個人が寄付すると住民税などが軽減される「ふるさと納税」で、平成27年の寄付額を反映して各自治体が28年度に失う個人住民税の金額を発表した。県、県内市町村合わせて約13億円。居住自治体から寄付先に財源が流出する。比較時期はずれがあるものの、今回発表の財源流出額と27年度の寄付受け入れ額(県は約8億円)の差が各自治体の収支の目安となるが、県は約5億円の“赤字”となっており、今後の課題といえそうだ。

 応援したい自治体に寄付すると、原則として2千円の自己負担を除いた分だけ所得税が軽減される制度がふるさと納税。都市部に集中する税収の分配や地域活性化を目的として平成20年に創設された。自治体が寄付のお礼として地元の名産品などを贈ることが認められている。

 県内でも同納税に力を注いでいる自治体は多い。たとえば奈良市は、返礼品に直径約30センチの赤膚焼大茶碗(100万円寄付)など多彩な返礼品をそろえ、平成27年度は総額約2憶5千万円もの寄付を集めた。また、レインボーラムネの返礼品が人気を呼んでいる生駒市は今年7月から返礼品の品目を22から101と大幅に増やした。そのほか、奈良ならではの特産品やマスコットキャラクターを生かした品など、各自治体間で返礼品を競っている。

 もっとも、全国的には商品券や家電など過度な返礼品で寄付を集める手法が問題視されている例もある。返礼品に左右されず、都市部で働いている人が古里など本当に応援したい自治体に寄付するのが本来の趣旨だろう。といっても、苦しい財政事情であるにもかかわらず、ふるさと納税制度に不熱心な自治体が県内にみうけられるのはいかがなものか。自治体や名産品を全国にPRする絶好の場ではないかと考える。

 ユニークな試みとして注目されるのが天理市が返礼品に追加した訪問理美容サービスだ。高齢者や育児中の母親など理髪店や美容院に行くのが難しい人らに、離れて暮らす人が寄付を通じて支援ができる仕組み。県理容生活衛生同業組合と県美容業生活衛生同業組合の天理支部に市が事業を委託。寄付額1万円につき訪問利用券1枚を配布する。全国初の取り組みという。

 これは、主に離れて暮らす家族らが利用するサービスだろうが、そのほかにも、ふるさと納税制度は、多様な活用方法があるのではないだろうか。各自治体の創意工夫を期待したい。

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