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国原譜

老いた者は愛児を失ったように悲しみ、塩や…

 老いた者は愛児を失ったように悲しみ、塩や酢の味さえ分からないほどだった。若い者は慈父慈母を失ったように泣き叫んだ―。日本書紀が伝える聖徳太子没後の世間は悲しみに満ちている。

 それから1400年の節目が平成33年にやってくる。県と県内20の市町村は「聖徳太子プロジェクト推進協議会」を発足させ、先月、初会合を開いた。今後5年にわたり、全国に聖徳太子を発信していく。

 「和をもって貴(たっと)しとなし」で始まる十七条憲法は、第2条が「あつく三宝を敬え」。さて第3条は、となると、出てこない人が多いだろう。

 全文を暗記している政治家もいると聞いたが、人の上に立つ者の心得から社会道徳まで、各条文は今も全く色あせない。

 奈良新聞社が6月に発行した『「憲法十七条」広義』の著者、永﨑孝文氏は「和」を日本人の遺伝子とし、その精神を育むには十七条憲法全文を味わい読むのが一番と述べている。

 キーワードは「己の人間学」と「地域から世界平和へ」。十七条憲法は二つの方向性を与えてくれる。来る御遠忌を17の条文に親しむ機会としたい。(増)

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