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国原譜

奈良市の大安寺といえば南都七大寺の一つ…

 奈良市の大安寺といえば南都七大寺の一つに数えられた巨大寺院。かつては東西二つの七重塔がそびえ、南大門は平城宮の朱雀門とほぼ同じ大きさだった。

 その門前を発掘できる催しが、今月から来月にかけて開かれる。奈良市埋蔵文化財調査センターが初めて企画し、すでに220人を超える申し込みがある。

 南大門は平城京六条大路に面しており、側溝などの発見が期待できるという。奈良時代の人々が行き交った都大路をわが手で見つける感動は、考古学ファンでなくても大きいだろう。

 今回は未経験者歓迎の催しだが、地中に眠る遺構を検出するにはプロの目がいる。ベテラン調査員に「ここの土の色が違うでしょ」と指さされても、首をかしげてうなってしまう取材もしばしばだ。

 それを可能にするのは情熱と場数で、学生時代のアルバイトなどで経験値を高めて目が鍛えられるという。判断が遅れると遺構を掘り飛ばすことになる。

 季節を問わず、発掘現場は終始野外の厳しい世界。噴き出る汗をぬぐって遺構にたどり着いた喜びが、将来の考古学者を生むかもしれない。(増)

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