注目記事山下県政 世論調査の全結果掲載

国原譜

重い門扉を引き開けて学校に入るのが当たり…

 重い門扉を引き開けて学校に入るのが当たり前になった。大阪教育大学付属池田小学校で起きた児童殺傷事件は、学校の危機管理に大きな転機をもたらした。

 それから15年。神奈川県の知的障害者施設「津久井やまゆり園」に元職員の男が侵入し、入所者を次々と刺殺した。

 弱者を標的にしたという点で二つの事件は共通する。社会的に保護されるべき場所が凶行の舞台になる。これほど理不尽なことはない。

 逮捕された男は、衆院議長に宛てた手紙に「障害者総勢470名を抹殺することができます」と書いていた。どんな生も一つの形であり、この世にあることが既に奇跡だ。だからこそ一人一人が尊重される。殺人は自身を否定することに等しい。

 入所者には支える人がおり、容疑者もかつてそうだった。「障害者なんていなくなってしまえ」と供述するほどの闇はどこから湧き上がったのか。

 詳しい動機まだ見えないが、他の障害者施設でも侵入者対策を強化する動きが出ている。難しいのは地域との一体感だろう。警備の強化だけでなく、住民の関心と見守りも、心強い防波堤になる。(増)

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