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国原譜

京都の祇園祭はきょう21日から後祭(あ…

 京都の祇園祭はきょう21日から後祭(あとまつり)の宵山を迎える。前祭(さきまつり)に比べて山鉾(やまほこ)の数は少ないが、巡行を山場に観光客でにぎわいそうだ。

 昭和26年に公開された新藤兼人監督の映画「愛妻物語」は、祇園祭に奈良が絡む。脚本家を目指して東京から京都に出てきた若者とその妻が、祇園ばやしの聞こえる部屋で将棋を打つ。

 妻の修学旅行は奈良だったが、病気で行けなかった。採用試験の脚本が完成したら奈良に行こう、「一度でいい。三笠山が見たい」と誘う妻に、夫役の宇野重吉は「京都に来て、一度くらい奈良に行かなきゃね」と約束する。

 脚本は不採用となり、1年間の浪人生活。肺結核で倒れた妻は奈良公園の絵はがきを手鏡に映し、「とうとう奈良へ行けなかったわね」とつぶやく。

 祇園祭を見物し、奈良に足を延ばす人もいるだろう。そこは修学旅行の思い出の場所かもしれないし、長く憧れた「国のまほろば」かもしれない。

 夏の燈花会など、奈良はさらにその魅力を増している。この夏も、人それぞれの思い出が、来訪者の胸に刻まれる。 (増)

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