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金曜時評


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激論で展望を開け - 論説委員 北岡 和之

2016年7月15日 奈良新聞

 最大で県関係の国会議員7人(衆院4人、参院3人)を擁した民主党(再編後は民進党)が、いまや衆院議員1人になってしまった。先日の参院選で、ともに3選を目指した県選挙区の前川清成氏と比例代表の前田武志氏がそろって落選。自民党の大勝で遠のいた感はあるが、「常在戦場」の次期衆院選(任期満了・平成30年12月13日)に向けてどう立て直すかが急務だ。

 参院選の結果について「民進党は何とか踏ん張った」という評価もあるが、果たしてそうか。「自民党1強」状態を、「国際的にも、国内的にも不安定感が増す中では仕方のない国民の安定志向」で済ませていいものだろうか。かじ取りの難しい情勢であればこそ、政党・政治団体は明確な政権構想を示すべきではないだろうか。

 国民に安定志向があるとして、それに応える、自公政権を超える政権のイメージを鮮やかに示せないのであれば、選挙で勝てないのも当然ではないか。これは野党統一方式の是非にも関わる問題で、自公両党の“野合批判”に対して十分な反撃ができていないように見えたことにも表れた。

 だが、このような大上段に構える論議は、とりあえず各政党・政治団体に任せたい。まずは民進党県連についてだ。

 前川氏の同党県連代表退任の意向を受け、後任代表候補として挙がるのが馬渕澄夫・同党県1区衆院議員。県関係の党国会議員が馬淵氏だけになったのだから、当然の声ではある。ただその前に、もう少し前田氏の今後の言動に注目したいと思う。

 前田氏はこれまで衆院議員4期、参院議員2期を務めた。自民党を振り出しに、新生党や新進、太陽、民主各党などに所属。政権交代の現場をその都度目にし、政界の趨勢(すうせい)に深く関わってきた。

 政治家としての“どん底”の厳しさも知り抜いている。5選を目指した平成12年6月の衆院選県4区、現在の荒井正吾知事と戦った同13年7月の参院選県選挙区、柿本善也前知事の4選阻止を掲げた同15年11月の知事選で、3連敗を喫した。いずれも激戦だった。支え続けたのは、与野党を超えた幅広い「前田党」の支持者。今回の敗戦は数字で見る限り、前田党は、政治勢力的には一段落ついたと言えそうだ。

 前田氏に求めたいのは、豊富な経験を生かした実効性のある助言。敗戦の弁を語った前田氏には失礼だが、「次の世代にバトンタッチできる選挙」ではなかった。政治について、より根本的な発言を期待する。

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