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国原譜

最近はあまり使われなくなった故事成語に…

 最近はあまり使われなくなった故事成語に「泣いて馬謖(ばしょく)を斬る」がある。中国の三国志で、蜀の軍師・諸葛孔明が、愛弟子を処刑した話に由来する。

 重要な戦いで、馬謖は孔明の指示に背いて敗戦を招いた。有能な将を惜しむ声もあったが、孔明は泣いて馬謖を処刑した。

 優秀な者であっても責任を不問にすることはあってはならない。自分に近い人物であっても、処分をあくまで公平にした孔明は、後世までたたえられている。

 県警は男性巡査部長を、ひき逃げなどの疑いで書類送検し、停職1月の懲戒処分にしたと発表した。「逃走、証拠隠滅の恐れがない」と逮捕はなく、氏名の公表もなかった。

 パンを盗んだ小説レ・ミゼラブルの主人公ではないが、ホームレスがおにぎりを万引しても逮捕、氏名発表されるのにである。公平性の面で、今回の県警の処分に首をかしげる人は多いのでは。

 日本警察の信頼度は世界一といわれる。だからこそ「泣いて馬謖を斬る」故事を忘れないでほしい。でなければ、レ・ミゼラブルの邦題「ああ無情」な世の中になってしまう。(栄)

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