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国原譜

何と大きな平城京―。奈良に都が開かれた…

 何と大きな平城京―。奈良に都が開かれた西暦710年を暗記する有名なごろ合わせ。またほかに、何ときれいな―などの覚え方もあるようだ。

 こうした工夫は無味乾燥な数字に彩りを与え、年号を覚えやすくしてくれる。それでも歴史が持つ本当の面白さを伝えるには不足というしかない。

 日本史の授業や教科書が詰め込み一辺倒だとはいわないし、重要な年代や出来事を勉強することは必要だが、最近はそれとは違った方法で歴史や文化を楽しむ新しいスタイルが流行している。

 それが歴女や仏像ガールと呼ばれる歴史好き、古美術愛好家を生み、古墳や刀剣人気に火を付けた。だったら今度は奈良ブームを巻き起こしたい。

 そんな思いを込めて「奈良遺産70」の募集がスタートした。あまり知られていないが、奈良らしい文物や風習を情報発信し、世界遺産や日本遺産にも恵まれた奈良の魅力をより立体的にする。

 例のごろ合わせも、唱えるだけでなく本当に平城宮跡に立てば何と大きな―と実感がわく。そんな発想の転換も良い。どんな掘り出し物や再発見と出会えるのか、楽しみだ。(松)

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