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金曜時評


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悔いのない投票を - 編集委員 辻 恵介

2016年7月8日 奈良新聞

 国会閉幕からの実質的な選挙戦が39日間となった今回の第24回参院選。1989年の第15回参院選以降、今回を含めた10回の参院選で最長となった。その長い戦いも大詰めを迎えようとしている。

 投票まで間があくため、序盤の情勢が終盤までに変化する可能性が高まるとの指摘もあった。だが、各種世論調査をみても、今回は当てはまらないようで、「自民党は60議席前後と、27年ぶり参院単独過半数の勢い」(6日付12面既報)という。

 与野党ともに党首や幹部が熱心に全国遊説を展開してはいるが、有権者をうならせるような激しい論戦の展開とまではいっていないようだ。「争点」はいくつかあれど、与党の選挙戦運営がうまいのか、野党が攻勢に転じるようなスキは見えてこない。議論がかみあわず、争点も分かりにくいというのが有権者の率直な印象かもしれない。

 また、国会閉幕後、国内では「舛添都知事辞職問題」、国外では「英国国民投票でEU離脱の選択」、そして「バングラデシュ飲食店襲撃テロにより邦人7人を含む22人が犠牲」と大きなニュースが相次いだが、政権与党の対応はソツがなかった。

 一方、6月19日には選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる改正公選法が施行。18、19歳の約240万人が新たに有権者に加わることになった。

 そんな新たな歴史の1ページを開くはずの今回の参院選だが、世論調査では「選挙に関心がある」とする人は増えず、投票率が50%を下回ることもありうるとの嫌な予測も出ているという。

 選挙の持つ意味合いは違うが、同じ投票ということでいえば、先日の英国の国民投票では、いろいろなことを教えられた。簡単に言うと、英国では選挙後に「BREGRET=英国の後悔」という造語が国中に広がり、「やり直し」の話まで出ているのだ。投票結果の「重み」が、ずしりと大英帝国にのしかかっているように見える。

 投票するということは、ある意味、国や組織などの行く末や道筋を決めてしまう可能性がある、責任を伴う大切な意思決定の場であることを忘れてはなるまい。

 前回2013年7月21日の参院選では、投票率は52・61%だった(奈良は55・54%)。「どうせ投票に行っても政治や世の中はよくならない」などと考えずに、大切な権利を行使することが、新しい有権者に選挙の重みを教え、伝えていく大事なプロセスともなろう。後悔しないように投票を。

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