21日付で辞職する東京都の舛添要一知事。先週17日の定例記者会見も出席せず、辞職会見も開かない意向だとかで、きのう20日が最後の登庁となった。

　都内だけでなく、列島中の高い関心を呼んだ政治資金をめぐるさまざまな疑惑について、詳細な説明をしないまま、都庁を去ってしまった。

　多くの時間と労力(経費)がかけられ、議会も振り回された。参院選を目前に控えていたためか結局、真相究明のための「百条委」の設置もされぬまま、疑惑追及は“不完全燃焼”のまま終わった。

　あれだけ饒舌(じょうぜつ)だった人物が、「政治とカネ」について舌鋒(ぽう)鋭く切り込んでいた人物が、自らへの疑惑については貝のように口を閉ざしたまま。随分と都合のいい話ではないか。

　折しも選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げる改正公選法が19日午前0時に施行された。18、19歳の約240万人が新たに有権者に加わる。

　あす22日は参院選の公示日。演説がうまくなくても、国民のために地道に汗を流してくれるような人物を選びたいものだ。「巧言令色」に惑わされてはならない。(恵)