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国原譜

県立医大で、遺伝子組み換え大腸菌が未処理…

 県立医大で、遺伝子組み換え大腸菌が未処理のまま下水に流されていたことが分かった。人体や環境に影響はないというが規律の緩みを恐れる。

 5月には奈良先端科技大でも遺伝子組み替え植物の漏出が発覚したばかり。特に今回は事故ではなく、講師の怠慢で違法処理が繰り返されていた。

 忙しかったからと講師は説明しているそうだが、もしかすると専門家の立場で危険性がないと判断、法律が死滅処理を義務付けているのを知りながら、あえて規定を無視したのかもしれない。

 そんな慢心や慣れが重大な問題を引き起こすケースは多いし、ちょっとした怠け心が人の正しい判断力をむしばむ例は学術研究の分野に限らない。

 むしろ、政治や行政で責任ある立場の人間が、堅苦しい規制を嫌って柔軟な対応を得意げに振り回すうち、権力におぼれて社会に害毒をまき散らす―そんな姿こそ、慢心の典型かもしれない。

 いずれにしても最後に被害を受けて苦しむことになるのは市民。改めて個人の自省と組織の綱紀粛正を強く求めたい。正しい研究手法や政治姿勢による恩恵を期待しつつ。(松)

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