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国原譜

体長3メートル近いヒグマが開拓民を執拗…

 体長3メートル近いヒグマが開拓民を執拗(しつよう)に襲う。吉村昭さんの小説「羆(くま)嵐」は、大正4年に北海道で起きた事件のドキュメンタリーだ。犠牲者はわずか2日間で6人に上った。

 火も恐れず、執着心の強いヒグマは孤高の猟師に仕留められるが、生息する動物もまた、人の想像を越えた自然の一部なのだろう。

 秋田県では熊に襲われた女性とみられる遺体が10日に見つかり、5月以降で4人目の犠牲者となった。こちらはツキノワグマだが、4人を襲ったのは同じ個体の可能性が高いという。

 国内のツキノワグマは開発などで生息数が減少し、県内でも狩猟は禁止されている。県のまとめでは平成26年度に28件の目撃報告があり、十津川村で1頭が捕獲された。

 ツキノワグマは山菜や木の実を好み、山菜採りでも遭遇するケースがあり得る。人よりも速く走り、木登りも得意だ。

 鈴を鳴らすなどして鉢合わせを避け、薄暗い時間帯は山に入るのを控える。人里への出没や林業被害に対策を講じつつ、これからも人間側の努力で「ツキノワグマ」という自然と向き合うことになるだろう。(増)

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