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国原譜

日本の東西文化を比較する際に、例にされ…

 日本の東西文化を比較する際に、例にされる言葉が「あほ」と「ばか」。関西で「おまえあほか」は親しみを込めた意味があるが、関東で人に「ばか」といえば人間関係が壊れる。

 靴下屋チェーンの創業者・越智直正氏の著書「靴下バカ一代」(日経BP社)を読んだ。この場合の「バカ」は、他のことを顧みずに一つのことを追求してきたとの意味だろう。

 越智氏は愛媛県生まれで、中卒後15歳で大阪へ丁稚(でっち)奉公してから60年、良質な靴下づくりに心血を注いできた。あくまで国産にこだわる。

 タビオは大阪に本社があるが、流通センターは広陵町にあり、靴下を生産する協力工場は同町を中心とした地域に点在する。県地場産業とのかかわりが深い。

 20年以上前、同氏にインタビューする機会があった。自社製品の質をあまりに誇るので正直閉口したが、今から思えばそれだけの情熱、自信があったからだろう。

 ショーウンドーに飾ってある靴下の弾力を確かめるため、店員の目を盗んで噛んだとの逸話も。小器用な人間が多くなっている世の中、ばかになりきれる人は大きい。(栄)

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